●ALTECの劇場用アンプ1568Aのペアを社外品の19インチラックに 組み込んだモデルの入荷です。

入庫時に状態が非常に悪かった為、オリジナルのトランスと シャーシを残して内部を一新してmodifyしました。

真空管は全て劣化していましたので全て交換しました。
出力段の6CA7はGE製の太管。
整流管の5U4GBは東芝製。
ドライバーの6CG7は東芝製。
初段の6CG7はGEとSYLVANIA製になります。

基本的な回路はそのままに最近の真空管事情を考慮し
バイアス調整回路を個別に設け、DCバランス調整が容易にできるように
してあります。カソード電流検出用抵抗も設置しました。

整流管の突入電流対策の為、電流制限用の
抵抗を増設すると共にg2抵抗を個別に設置し
出力管のスパーク対策とg2電流が容易に検出できるようになっています。
保護抵抗を入れた兼ね合いで最大出力は30Wに低下しています。
（117V/60Hz時、オリジナルは40W）

真空管ソケットは全て交換してあります。

ボリュームは特性低下の為、無効化し固定抵抗に
置き換えてあります。

メインの平滑コンデンサはかつてのツイストロックタイプの
複合コンデンサの良質な物が極めて入手困難の為、
高信頼タイプのシングルタイプに置き換えて設置してあります。
C10側はコンデンサ取付ボードを作製してシャーシ内部に収めてあります。
C9側も取付位置はそのままですが、サイズが異なる為、取付ボード作って設置しています。

バイアスVRは信頼性ほ考えBOURNS社の巻線型10回転タイプのVRを採用し
取付ボードを作成し設置してあります。

その他のCR類も厳選したものを採用し抵抗の大半は
現行のVishayの金属タイプの1W以上のモデルを採用し
カップリングコンデンサはVishayのフィルムタイプですと
音質的に満足できなかった為、ここだけは
ヒグチ電子のオイルフィルムDUTTCを採用しました。
また同じ理由でボリュームから置き換えた、グリットリークの
220KohmはアムトランスのAMRTの0.5Wを採用しています。

ヒューズフォルダ及びヒューズは劣化が進んでいましたので交換してあります。
2台で少しフォルダの形状が異なります。

電源スイッチはオリジナルですが、接点保護とノイズ対策の為、
スパークキラーを取付ました。
また電源コードのグランド線は無用なアースループを
防止する為、シャーシから切り離してあります。
もしグランド接続が必要であればグランド端子を
ご利用下さいませ。

大出力時の低域の安定性を向上させる為、出力端子の
グランドと0(com)をジャンパーで接続してあります。

入力トランスは正規のトランスソケットを使い15095トランスを
使っていただければ3、4番入力を使用しバランス入力は可能です。

片方の個体は過去に電源トランスのピッチが溶け出すトラブルがあったようで
シャーシにもその形跡が残っていました。
またもう1台にもピッチが垂れた形跡がありシリアルが
判別不能になっています。

電源トランスと出力トランスを1度解体してチェックしましたが
内部は綺麗でしたのでおそらくトランスは交換されていると思われます。
（同じPEERLESS16432/6288ですが2台で微妙に特性は異なります）

朝電源を投入したら終演まで落とさない劇場用アンプですので
頻繁な電源のON/OFFは厳禁です。少なくとも一度電源OFFにしたら
再投入には30分程度置いていただくようお願いします。
電源スイッチは入れる為ではなく切る為とお考え下さいませ。

セットされている19インチラックマウントケースには
空冷ファンが設置されています。
動作音がしますが真空管の寿命、安定動作の観点から
動作させていただきますようお願いします。

本機は117V/60Hz仕様です。おまけで理研製の100V→117V昇圧トランス （オートトランス）をおつけします。
良質なトランスがあればもっと音質はよくなると思われます。
50Hzでは使えなくはないですが、トランスの唸りが大きくなり
本領を発揮できないと思われます。
できるだけ60Hz/117Vでお使い下さいませ。

入力用のケーブル約1.8m（RCA-Yラグ）が付属します。
出力は30Wとなります（オリジナルは40W）。
本機はフロントヘビーの為、前に倒れやすいです。
後ろに荷重をかけてお使い下さいませ。